エコキュートの水圧が弱い?プロが教える7つの改善策でシャワーや家事の不便さを解消

エコキュートに変えた後、シャワーや蛇口の水圧が弱く感じて不便に思ったことはありませんか?

水圧が弱いと家事がスムーズに進まなかったりシャワーに満足できなかったりと、ストレスの原因になることがあります。

しかし、エコキュートの水圧にはいくつかの特徴があり、それらをしっかり理解すれば解決策も見つかるのです。

今回の記事では、住宅設備の販売から設置工事までワンストップで手がける住まいのプロが、エコキュートの水圧が弱くなる理由や具体的な改善方法を解説します。

エコキュートの水圧が弱いと感じる原因

エコキュートの水圧が弱くなるのは、給湯方式や住宅設備など、いくつかの原因が考えられます。
ここでは、エコキュートの水圧がなぜ低く感じられるのかを詳しく探っていきましょう。

エコキュートの給湯方式と水道直圧式での違い

エコキュートの水圧が弱く感じられる主な理由は、ガス給湯器とエコキュートの給湯方式の違いにあります。

ガス給湯器は「水道直圧式」を採用しており、水道の圧力をそのまま利用してお湯を供給。
一方、エコキュートは貯湯タンクにお湯を一度貯めてから供給する「貯湯式」を使っています。

エコキュートの仕組みでは水道圧が直接活用されないため、水圧が自然と弱くなってしまう傾向があるのです。

貯湯タンクの圧力制限

エコキュートの貯湯タンクには、タンク内の圧力を調整するために「減圧弁」という装置がついています。

これは、タンクが高い水圧に耐えられるように作られていないため、水道水がそのまま高い圧力で流れ込み、タンクに負担がかかることにより故障や安全上の問題が発生することを防ぐためです。

この仕組みにより、ガス給湯器に比べて水圧は約3分の1にまで低下するため、お湯の水圧を低くする原因となっています。

設置環境や住宅の水圧も影響

エコキュートの設置環境や住んでいる地域の水圧自体も、シャワーや蛇口の水圧に影響します。

たとえば、高層マンションの上階や、標高の高い場所では水道の水圧がもともと低く、エコキュートにした場合に水圧がさらに弱くなることがあるのです。

また、古い建物や水道設備自体の劣化も水圧低下の原因になるケースが多くなっています。

同時使用での水圧分散

家の中で複数箇所で同時にお湯を使うと、水圧が分散されてしまいます。

とくにキッチンで食器を洗いながらお風呂に入るなど、同時に給湯をおこなうと水圧の低下を感じるでしょう。

エコキュートの貯湯タンクの容量や給湯能力は限られているため、同時使用では水圧を上げるのが難しくなってしまうのです。

エコキュート本体や周辺設備の故障

エコキュート本体や周辺の設備の不具合も、水圧が弱くなる原因です。

たとえば減圧弁や給湯管のフィルターが詰まると、水の流れが悪くなりシャワーや蛇口の水圧が急激に低下します。

また、給湯設備に何らかの不具合が生じている場合も水圧が不安定になることがあるため、不調が疑われる場合は、専門業者に点検を依頼しましょう。

エコキュートの水圧を上げる7つの方法

エコキュートの水圧を上げるためには、さまざまな対策を組み合わせてみましょう。
ここでは、自分でできる具体的な改善策を7つご紹介します。

①設定温度を上げて水圧を改善する

エコキュートの設定温度を上げると、水圧を強化できます。
高い温度に設定するとシャワーや蛇口に供給されるお湯の温度が高くなり、その分水道水と混ざる際に水圧が強まるのです。

一般的には普段の設定を50℃以上にすることで、水圧がしっかり感じられるようになるでしょう。ただし電気代が増える可能性があるので、使いすぎには注意が必要です。

②低水圧用シャワーヘッドを使う

シャワーの水圧を感じにくい場合は、低水圧用のシャワーヘッドを使うのもおすすめです。

低水圧でも勢いよく水が出るよう設計されたシャワーヘッドであれば、水量が少なくても強い水圧が感じられます。

また低水圧用のシャワーヘッドは水道代の節約にも繋がるため、一石二鳥の対策です。

③給湯加圧ポンプの導入

水圧を強化する確実な方法の一つが、エコキュートから出るお湯の水圧を高められる「給湯加圧ポンプ」の設置です。

特に地域の関係で水圧が低い場合や、高層階に設置している場合に有効となります。

ただし、機種によっては給湯加圧ポンプに対応していない場合もあるため、購入前にしっかり確認しましょう

④フィルターの詰まりを解消

エコキュートや蛇口のフィルターが詰まっていると、水の流れが悪くなり水圧が低くなってしまいます。

とくに長期間使用しているシャワーヘッドや蛇口は、カルキやゴミで詰まりやすくなっているでしょう。

フィルターが目詰まりしていないかをチェックして、定期的にフィルターを清掃すれば水圧の改善が期待できます。

⑤止水栓の調整

止水栓が半開きのままでは水道の圧力が制限されてしまい、水圧が低くなります。

とくに水道工事や点検後に、止水栓が完全に開かれていないままになっているケースが少なくありません。

簡単にできる確認作業ですので、一度止水栓をチェックして必要に応じて調整してみましょう。

⑥お湯を複数箇所で同時に使わない

複数の場所で同時にお湯を使うと、どうしても水圧が分散され結果としてシャワーや蛇口の水圧が低下します。

家族で使用のタイミングを調整するなど工夫して、エコキュートの限られた給湯能力を最大限活用できるようにしましょう。

一度に使う量を減らすだけで、充分な水圧を感じられるようになります。

⑦エコキュート本体を高水圧タイプに交換する

エコキュート自体を高水圧タイプに交換するのもおすすめです。高圧力対応のエコキュートは、一般的なモデルよりも1.5倍から2倍の水圧が期待できるため、水圧不足が解消されます。

最新モデルでは省エネ性能も向上しているため、水圧だけでなく全体的な使い勝手が良くなるでしょう。

高水圧タイプのエコキュートを選ぶ時のポイント

水圧が気になる場合は、高水圧タイプのエコキュートを導入するのがおすすめです。
ただし、選ぶ際にはいくつかのポイントを押さえる必要があります。
ここでは、高水圧タイプのエコキュート選びで失敗しないためのコツを見ていきましょう。

水圧性能を表す「kPa」に注目

エコキュートの水圧性能を知るためには、「kPa(キロパスカル)」という単位に注目しましょう。

一般的なエコキュートは180kPa程度ですが、高水圧タイプは300kPa前後の水圧を持っています。

この数値が高ければ高いほど強い水圧でシャワーや蛇口が使用できるため、購入時には必ず確認してください。

「高圧力対応」や「パワフル給湯」などの表示に注目

高水圧タイプのエコキュートには、「高圧力対応」や「パワフル給湯」といった表示がされています。

これらのモデルは、通常のエコキュートに比べて水圧が強くなっているため、購入時は製品紹介の表示にも注目してみてください。

特にシャワーやお風呂での使用感を重視する方には、これらの表示があるエコキュートがおすすめです。

省エネ性能とのバランスを考える

高水圧タイプのエコキュートは一般的なモデルよりも水圧が強くなるため、電力消費が増えます。そのため、購入を検討する場合は省エネ性能とのバランスも考慮しましょう。

最新のモデルでは、省エネ性能と高水圧性能を両立させた製品も多いため、ランニングコストを抑えたい方はこの点にも注目してください。

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まとめ

エコキュートの水圧が弱いと感じる場合、設定温度の調整やシャワーヘッドの交換、給湯加圧ポンプの導入などで改善が可能です。

また、これから購入を考えている場合は高水圧タイプのエコキュートも検討してみてください。

自宅の環境やニーズに合った方法で、水圧の問題を解消しエコキュートを快適に使用していきましょう。

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